12.04ミーティング

/ 2011年12月9日金曜日 /
 今回はコンセプトの強度を考えるミーティング。

前回までに決まっていた「原風景2.0ハイパー」が本当に妥当であるかを熟議する。

「原風景」「2.0ハイパー」

このふたつのワードについてそれぞれ考えることから始めた。

「原風景」とは
その人が幼少期に過ごした場所や、象徴的な記憶となっている場所と定義できる。
また、 「2.0ハイパー」は2.0(思想的流行ワード)をアイロニカルに超える(=ハイパー)ものである。


それでは、原風景1.0とは何だったのだろうか。
 


端的に言うと、原風景1.0とは「原風景が公共性を持っていた時代」と言うことが出来る。各人の原風景が原っぱ、空き地など明確に所有者がイメージされない場所(実際は国や管理者が存在する)の時、原風景は公共的な風景であった。多くの人に共有可能で場所を特定しないノスタルジックなイメージの原風景という言葉と対応するものである。
しかし団地やニュータウンの開発・都市化によって、原風景が郊外のイメージや建築物といった「所有者がイメージされる場所」になった時、公共的な風景であった原風景1.0は更新され、原風景2.0となった。現在の原風景の生成のされ方が、まさに原風景2.0なのである。
例をあげれば、団地のマンション内で遊び育った子供たちにとっては階段やエレベーター、廊下といった団地の中の風景が原風景となっているのだ。


そして、原風景2.0ハイパーとはさらにその先の原風景だ。

原風景の変遷については以上のとおりである。

しかし、われわれ(出展者)は本当に新しい原風景をつくりたいのだろうか?

卒業設計では「私は新しい原風景となるようなものを作りたいんです!」という以外の人もいるだろう。そういった人達の案を原風景というワードで解釈し俎上に上げることで議論が発展するのかが問題である。もちろん、未来を語る上での一つの評価軸(比喩)として原風景を設定するのは理解でき、前回までわれわれはそのつもりだった。

しかし、多様な卒業設計に通底して言える事は「敷地に対して、自分が最善だと思っている案を提案する」ことぐらいではないか。そうやって提案された案を、どうすれば恣意性を超えた客観的な案として評価できるか考えることが、卒業設計の展覧会において重要な命題である。
それは語り合うこと(コミットメントすること)によって成立するのではないだろうか。すべての作品を真摯に語り合う場を提供すること。模型や絵の一瞬のインパクトではなく、きちんと作品を批評する事がわれわれには必要なのだ。


コンセプト(=タイトル)は根底の「未来の建築」を考える上で何をテーゼとするかが焦点であったが、テーゼを建築的なワードで包括しようとした結果、副作用が生じてしまった。議論を聞きに来る人にわれわれが何を伝えたいか考えることが足りていなかったのではないか。

そういった点を踏まえ「語りあう」というシンプルなタイトルが提出された。

一段階前に戻ってしまったようなタイトルであるが、「原風景2.0ハイパー」よりは適しているとミーティングで承認された。ただ、「語り合う」は何について語り合うか明記していないので、自己目的化したコンセプトに見える。もう一考が必要かもしれない。

「~ついて語り合う」ではない、いいタイトルはないだろうか。

12月中に決定出来るよう、活発な議論を続けていきたい。


■今後の予定と諸連絡


12/11の議題:HPへ載せる内容決定・形式の検討等

12/11 プレDMたたき案完成(丸山)

12/15 プレDMデザイン入稿予定
→りっちゃん(予算)と紙質・印刷数を要検討


12/18 できればポスターたたき案(丸山)
→ポスター完成1月予定

12/18 会場構成たたき案(松田)
去年84作品だったので大体の寸法決めてザックリ配置計画を考える。作品がアートラボに入るか入らないか要検討。

12/23 プレDM刷り上がり予定
12月末までに郵送分詰める作業。

<<必ず、年内に送ります!>>


となっています。締め切り等googleカレンダーにて共有できるよう整備しておきます。

コメントなども活用して、ミーティングに出れなかった人は意見等、交換しましょう。

それではまた次回のミーティングで。


writer:丸山恭佑

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